安全大会の挨拶とヘルメット

協力会会長、元請け社長の立場での安全大会の挨拶のお役立ち情報をお伝えしています。

挨拶での「ご安全に」の使い方

time 2026/01/17

「ご安全に」は、建設現場や製造現場で広く使われている挨拶言葉である。朝のすれ違いざまに、作業の合間に、帰り際に。何気なく交わされるこの言葉を、安全大会の挨拶に盛り込むことで、その意味を改めて聴衆と共有することができる。

「ご安全に」の由来を語る

「ご安全に」の由来を知っている人は、実は多くない。この言葉の起源は、ドイツの炭鉱で使われていた「Glück auf(グリュック・アウフ)」という挨拶だとされている。直訳すれば「幸運を」だが、その真意は「無事に帰ってこい」という、危険な坑内作業に向かう仲間への願いだった。

日本では、1950年代に住友金属工業がこの挨拶を取り入れ、その後、鉄鋼業、製造業、建設業へと広がっていった。

挨拶でこの由来を紹介することで、「ご安全に」という言葉に込められた歴史と思いを伝えることができる。「この言葉は、100年以上前のドイツの炭鉱で生まれました。危険な坑道に降りていく仲間に、『無事に帰ってこい』という願いを込めて交わした言葉です。私たちが今日交わす『ご安全に』にも、同じ思いが込められています」という語り方は、聴衆に言葉の重みを実感させる。

「言っている」と「願っている」の違いを問う

「ご安全に」は、日常的に使われているがゆえに、形式的になりやすい。何も考えずに口にする挨拶になっていないだろうか。

挨拶では、「言っている」と「願っている」の違いを問いかけることができる。

「皆さんは今日、何回『ご安全に』と言いましたか?そのとき、本当に相手の安全を願っていましたか?」

この問いかけは、聴衆に自分自身の言動を振り返らせる。形式的に口にしていただけかもしれない、と気づかせることで、明日からの「ご安全に」に心を込めるきっかけを作ることができる。

挨拶の最後を「ご安全に」で締める

安全大会の挨拶の締めくくりとして、「ご安全に」を使う方法もある。ただし、単に「ご安全に」と言って終わるだけでは、ありきたりな印象になる。

効果的なのは、言葉の意味を語ったうえで、その言葉で締めくくることだ。

「『ご安全に』という言葉には、『無事に帰ってきてほしい』という願いが込められています。今日、ここから現場に戻る皆さん一人ひとりに、私からその願いを込めて伝えさせてください。ご安全に」

このように、言葉の意味を伝えたうえで締めくくることで、形式的な挨拶ではなく、本気の願いとして聴衆に届けることができる。

語る際のポイント

「ご安全に」を挨拶に盛り込む際は、以下の点を意識すると効果的である。

  • 由来を紹介することで、言葉の重みを伝える
  • 形式的に使っていないかを問いかけ、自己認識を促す
  • 言葉の意味を語ったうえで、挨拶の締めに使う
  • 「お互いの安全を願い合う文化」として語る

「ご安全に」は、日本の産業現場が育んできた安全文化の象徴である。この言葉を改めて取り上げることで、単なる挨拶言葉を、安全への意識を高め合うコミュニケーションへと昇華させることができる。

この記事を書いた人

ニーバーオフィス

挨拶原稿会社の代表者です。安全大会での挨拶について、多くの協力会の会長さん、元請けの社長さんのご助力をしてきた経験から、挨拶の内容やアイデア、マナー、それから安全大会がどのようなものかなど、さまざまお伝えしています。