安全大会の挨拶とヘルメット

協力会会長、元請け社長の立場での安全大会の挨拶のお役立ち情報をお伝えしています。

安全大会の挨拶に「KY活動」を盛り込む

time 2026/01/10

KY活動(危険予知活動)は、建設現場で毎日行われている安全活動の代表格である。作業前に危険を洗い出し、対策を決めてから作業に入る。そのプロセスは、多くの作業員にとって日常の一部となっている。

しかし、日常の一部であるがゆえに、形骸化しやすいという課題もある。安全大会の挨拶でKY活動を取り上げる際は、この「当たり前」を問い直す視点が効果的である。

「形だけのKY」に警鐘を鳴らす

KY活動の最大の敵は、マンネリ化である。毎日同じ現場で同じ作業をしていると、「いつもと同じ」という感覚が生まれ、危険予知が形式的になりがちだ。

挨拶では、この形骸化への警鐘を鳴らすことができる。ただし、「KYをちゃんとやれ」という説教調では聴衆の心に届かない。問いかけの形にすると効果的である。

「今朝のKYで、皆さんは何か新しい危険に気づきましたか?」

この一言で、聴衆は自分の今朝のKYを振り返ることになる。もし何も思い出せなければ、それは形だけのKYだったのかもしれないと気づく。説教よりも、自己認識を促す問いかけのほうが、行動変容につながりやすい。

「K」と「Y」の意味を深掘りする

KY活動の「K」は危険、「Y」は予知である。この言葉の意味を改めて深掘りすることで、KY活動の本質を伝えることができる。

特に「予知」という言葉には注目すべき深さがある。予知とは、まだ起きていないことを想像する力だ。見えている危険を確認するのは「認知」であり、見えていない危険を想像するのが「予知」である。

挨拶では、「KYの『Y』は予知です。予知とは、見えないものを見る力。今日の作業で、見えていない危険は何か。それを想像できるかどうかが、事故を防げるかどうかを分けます」という語り方ができる。

言葉の意味を深掘りするアプローチは、聴衆に「そういえばそうだ」という気づきを与え、日常的に使っている言葉を新鮮な視点で見直させる効果がある。

「今日の危険」は「昨日の危険」と同じか

KY活動が形骸化する原因の一つは、「昨日と同じ作業だから、危険も同じ」という思い込みである。

しかし、現場は日々変化している。昨日はなかった資材が置かれているかもしれない。天候が変わっているかもしれない。自分自身の体調が違うかもしれない。作業する人の組み合わせが違うかもしれない。

挨拶では、「今日の現場は、昨日の現場とは違います。同じ場所でも、同じ作業でも、今日だけの危険が必ずある。それを見つけるのがKYです」と伝えることで、毎日のKYに新鮮な目で取り組む意識を促すことができる。

語る際のポイント

KY活動を挨拶に盛り込む際は、以下の点を意識すると効果的である。

  • 「ちゃんとやれ」という説教調を避け、問いかけの形にする
  • 「K」「Y」という言葉の意味を深掘りし、新しい気づきを与える
  • 現場は日々変化しているという視点を伝える
  • 形骸化を責めるのではなく、本来の価値を思い出させる

KY活動は、あまりにも日常的であるがゆえに、その価値が見えにくくなっている。安全大会の挨拶は、その価値を改めて伝え、明日からのKYに新たな意識を吹き込む機会となる。

この記事を書いた人

ニーバーオフィス

挨拶原稿会社の代表者です。安全大会での挨拶について、多くの協力会の会長さん、元請けの社長さんのご助力をしてきた経験から、挨拶の内容やアイデア、マナー、それから安全大会がどのようなものかなど、さまざまお伝えしています。